実は、30代半ばまでは、ほとんどコーヒーを口にすることはなかった。それは、実家は、紅茶党で、コーヒーを淹れる習慣が無く、飲むとしても、ペットボトルやインスタントコーヒー。だから、コーヒーを何杯も飲む習慣が全く理解できない生活を送っていた。
ただ、大学時代、2シーズン(計1か月半くらい)だけ喫茶店でバイトをしていたことがあった。そこでは、マスターに頼まれて、サイホンでコーヒーを淹れるのだが、豆ではなく、すでに挽いたあとの粉を適量スプーンで上ボールに入れるのみだったため、コーヒー豆の挽きたての香りを楽しむことはなかった。また、その喫茶店で、高いコーヒーを口にすることは永遠になかった。
コーヒーを飲み始めたきっかけは、実は、はっきり覚えていない。が、恐らく皆が良く口にするコーヒーを一度は飲んでみようと思い、ドリップを購入して、スタバの挽いたコーヒーを購入したのではないかと思っている。(違っているかな)。スタバのコーヒーは、深入りなので、あまり好まないのだが、ドリップにお湯を注いだときに、香り立つあのコーヒーの香りは、確かに惹かれるものがある。で、少しずつコーヒーを口にし始めたのだが、コーヒーミルで、コーヒー豆を挽くことにちょっとした憧れもあり、Braunのコーヒーミルを購入した。近所に新しくできたコーヒー専門店で、700円/200gくらいで豆を購入し、ミルで挽いたところ、ふたを開けたときの香りときたら。香ばしさ、芳ばしさ、何かコーヒーの魅力に憑りつかれた気がした。
そこから、10数年、オーストラリアのキュランダ豆、異なる近所のコーヒー専門店(1500円/200g)のスペシャリティ豆(市場の10%と言われる雑味のでないコーヒー)を購入するなど、すっかり豆から淹れたコーヒーの生活になってしまった。
不思議なもので、いいモノ知ると、普通のコーヒーで多少物足りなさを感じつつもコーヒーを好んで飲んでしまうのである。
紅茶は、逆に、1回/月位になってしまった。