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イミテーション・ゲーム(2014年)

アラン・チューリングの遺族が認めたカンバーバッチの迫真の演技

ベネディクト・カンバーバッチ主演の映画である。2年くらい見たが、今でも非常に印象が強く残っている作品。アカデミー賞は、作品賞、監督賞、主演男優賞など8部門でノミネート、英国アカデミー賞でも9部門にノミネートされた作品なので有名です。

主人公は、アラン・チューリング(Alan Turing)で、現代のコンピュータ科学と人工知能に多大なる貢献を果たし、かつ、LGBT(Lesbian, gay, bisexual, transgender)の先駆者で当時(1967年まで)有罪判決を受け最終的に自殺したことで、各分野で有名な人物である。

もちろん、この映画の副題「エニグマと天才数学者の秘密」で分かるように、第二次世界大戦で、ドイツ軍の「エニグマ」暗号解読を初代のコンピュータ(部屋いっぱいの装置)を製作して行い、連合軍の勝利に大きく貢献し「時の人」となる話が描かれている。

このアラン・チューリングは、英国中央銀行が2021年末までに発行する新プラスチック製の50ポンド紙幣の肖像として採用されることが明らかになっている。

さて、内容は、第2次世界大戦が終結した6年後、空き巣被害を受けた。その捜査線上で、スパイ容疑と同性愛が発覚します。さらに捜査が進む中、第二次世界大戦時のブレッチリー・パークでの彼の活躍が見えてくる。学生時代友人から暗号解読の魅力を教わり、海軍でエニグマの暗号解読メンバーに選ばれます。彼独自に解読のため装置を検討し、当時の首相チャーチルから予算を得、クリストファーと言われる装置を開発した。これは、コンピュータの初号機のようなものですが、それでも、解読が追い付かない。大金を使っても解読ができないので、無用の長物扱いになり、解散されそうになる直前、ドイツ軍のやり取りに1つのパターンを見付け、そこからパターンを一気に絞り込み、この装置で解読することができ、イギリス国民、連合軍を救います。しかし、冒頭に戻って、同性愛で有罪が確定。化学的去勢を選択した。彼の妻だったジョーンが彼を元気付けようとしますが、彼は死を選択するという話です。

この作品は、2014年ですが、その1年前の2013年、イギリスは、アラン・チューリングに恩赦を発行したそうです。時代の犠牲者となった悲しい話でもあります。

Ohtani Hisao

1967年生まれ。高校卒業まで大阪→名古屋→福岡→島根で生活。今は、神奈川県逗子市に在中。都内の会社に勤め、同居は、妻と子供2人(2020年時点 大学生)。無理をしない程度に、読書、映画、美術鑑賞、スポーツを楽しんでいます。特に2019年春からSUP(Standup Paddle Surfin)に奮闘中です。ブログで奮闘ぶり更新中です。

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