日・米・中 IoT最終戦争(泉谷渉著)
日本産業は、20年韓国、中国に覇権を奪われてきたが、IoTの社会になると精密技術が得意な日本メーカーに再び覇権が戻ってくる
IoTは、第4次産業革命と言われている。インターネットにつながる機器は、2020年97億台と予測されている。更には、社会インフラ(橋、トンネル)から衣類(ブラジャー、シャツ)までネットにつながる360兆円の市場。(エネルギー1300兆円、医療560兆円)
IoTのポイント 1)人を介さない 2)あらゆるものからネットワークにいれる 3)フルカスタムの社会になる
AI(人工知能)とIoTの違いは、AIは、過去のデータを基に「Yes or No」で動くため未来に起こすべきアイディアは持てない。IoTは、グレー領域への対応が必要で、「アジャイルシステム」が注目されている。これは、日本人が得意な暗黙知の世界に相当すると泉谷氏は言っている。
あらゆるものにセンサーが付く。目は、ソニーのCMOSセンサー。触感は、オムロンの血圧センサー、温度は、チノーの温度センサー。振動センサーは日本電産。Bluetoothはアルプス電気、データの記録媒体も、フラッシュメモリーで東芝が力を持ち、半導体素材でも日本メーカーが圧倒的に強い。日本のセンサー、デバイスは次につながる技術として確立している。ソフトバンクが買収したアーム社、のちに、インテルが車載のIoTチップでアーム社と契約を結ぶに至る。
現在、最も注目度が高いのは、自動運転とロボット産業だ。アメリカは、サービスと半導体の覇権を狙っている。中国も国の力をバックに、太陽電池、液晶、LED照明を日本、ドイツなどを潰しにかかり、一見覇権はとれたようにみえて内情は、倒産企業、赤字企業がほとんどという状況。中国は、まだナノ技術が足りない。日本は、今後の戦い方で次の覇権を狙える位置にいて、復活ができると泉谷氏は考えている。様々な日本メーカーの強みがまとめられているので詳細は本を見てほしい。