落語鑑賞(8月)
初めての「JAL名人会」。落語は、話術に引き込まれ落ちを想像しながら日本語が楽しめる
8月28日、人生2回目の「落語」を楽しみました。1回目は、今年の2月、妻と2人で逗子市主催の落語会で、笑点に出ている林家たい平氏、立川談笑氏のお二方をメインにした会で、落語の面白さを知った。
今回は、今月(8月)会社をご卒業される先輩から、チケットが余っているので流れてきた令和元年8月28日の「JAL名人会」。「JAL名人会」とは、JAL機内で日本の文化の一つとして紹介している落語プログラムであり、この模様は、録画されるというもの。場所は、新橋内幸町ホール。
今月の演目は、以下の通り。
- 開口一番前座:ちょっと抜けた若者が只酒を飲ませてもらえると人から聞いて、ある酒屋に伺う。ところが、「灘の酒」と「只の酒」を聞き間違えていた。只酒を飲むためには、「お世辞で相手をおだてる」ことで得られると、2つのパターンを教えてもらう。一つは、街中であった知り合いの肌が黒く焼けていたら地方に出かけていい仕事をしてお金が潤っているのでほめる。二つ目は、赤ん坊が生まれた家で、その両親を煽てること。実際にやってみますが、なかなか現状に則さないという流れ。
- 「初天神」柳家東三楼:父と子供のやり取り。父が天神様へお参りに行くところへ、子どもが、縁日で何かをねだるために何とか連れて行ってもらおうとする。父は、ねだられるのが分かっているので断るが、ねだらないという条件で連れていくことに。結局、子どもに「飴玉」「団子」をねだられるのだが、父の方がだらしなく、子どもが捨て台詞をする落ち。
- 「探偵うどん」柳家喬志郎:導入が、仕事で都内を公演する。ある日、深川の公演の際、公演開始まで時間に余裕があるので清澄から浅草まで、甘いものを買って歩いて公演に遅れそうになったという。そこから、落語に入り、スリが300円という大金を手にすることに成功したが、被害者から通報を受けた探偵(警察)が、組織的に包囲網を敷いた。スリが、その包囲網を焼きうどん売りを利用して抜けるが、結局は、まんまと食わされるという落ち。
- 「棒鱈」林家〆治:お酒にまつわる色々な癖を話し笑いを取ったあと、とある飲みの席で、だらしない客が、隣の部屋で楽しんでいる客に対して不満を持ち、厠の帰りに、その部屋に入っていき、喧嘩が始まる。それを飲み屋の板前さんが胡椒を持ったまま止めに入った。胡椒のため「くしゃみ」で喧嘩にならない。その後、ある一言で落ちになる。
- ポカスカジャン(漫才):50音を使った歌の笑い。例として、「あ行」の場合「あいうえお」のみを使って、あるテーマ(例 ラブソング)を演出する。というもの。もともと3人組のトリオだが、先日2人になったため、2人になった初めての公演。もう一人は、特別ゲストが来るという。いくつかの50音を使った演出の後、ゲストとしてちょっとやせた(本物の)「松村邦洋」が出てきて、50音曲を、野村監督、加藤ひふみん、ビートたけしなどの物まねをしながら演じた。
- 「お血脈」八光亭春輔:冒頭、話の途中で帰らないで、帰ると一生、その方の顔を覚えています。と笑いをとったあと、「お釈迦様」にまつわる話をし、そのお釈迦様の人物生い立ちの話をし、いよいよ日本に仏教を広めに行く。信濃に向かっている「ヨシミツ」が、小川で5㎝くらいの阿弥陀如来の仏像を見つけ、それを負ぶって信濃に運ぶ。その仏像は、昼は小さく、夜になると大きくなり(3m)寝ている「ヨシミツ」を背負う。それを数日繰り返す。そして目的の場所で、「善光寺」(善光=ヨシミツ)を建て、阿弥陀如来像となった。善光寺では、25銭払ったものには極楽浄土に行ける「お血脈」印を額に押すことがブームとなった。そのため、地獄はすっかりすたれてしまった。そのため閻魔様が、昔のように繁盛したいと思い、その「お血脈」印を奪いに、石川五右衛門を派遣する。五右衛門は、何とか(たまたま)その印を奪うことに成功するが、そこには落ちが待っている。
どれも面白かった。6時半~8時45分までの2時間ちょいで、1000円という値段です。「落語」は、日本語の言葉遊びを体験できる文化の1つです。皆さんも体験してみてはいかがですか?