チリ33人 希望の軌跡(2015年)
チームリーダーは、最後まで諦めず、統率を取り続けることの大切さを、この作品は伝えます。
2010年に実際にあり、テレビでも報道(事故発生、途中経過、ハッピーエンド)された事実をベースにした作品である。
チリ「コピアポ鉱山」で発生した落石で、33人の作業員が地上に戻る坑道が塞がれます。その深さ700mです。ちょっと考えただけで、ぞっとする深さです。その33人には、もちろん色々な事情の方がいるわけで、妻が近々出産を控えている人、数週間で退職する人、もちろん今回初めて潜った人。彼らを一手にまとめたのがアントニオ・バンデラス扮するマリオ・セブルベンダ。
事故当初、地上の人たちは絶望的観測でしたが、地上に残された人たちの訴えもあり、急ピッチに救出作戦が繰り広げられますが、なかなか成功しません。地下の人たちも、地上の様子が分からない。しかし、希望を捨てずに、リーダーのマリオが、一人一人の飲み物、食事を僅かずつ宛がいしのごうとします。中には、目を盗んでルールを犯す人もいますが、理解させます。
いよいよ救出作戦が大詰め、33人がいるであろう場所を特定しドリルで穴をあけ進めますが、わずかにズレます。このドリルの音が皆に希望を与えます。17日目、ようやくドリルが彼らのところに届き、食糧、飲料がドリルの穴経由で提供ができます。また、連絡も取れるようになります。しかしそこから人が地上に上がれる穴をあけるのが大変。小さな穴から45日目(事故から62日目)で、一人目が地上に救出されます。そこから順番に救出されます。実に、優秀なリーダーマリオが、最後まで皆を統率したおかげで全員が無事に地上に戻ることができる話。最後、エンドロールで、救出された人たちの実際の写真と現在の状況が流れます。感動します。自分がその状況になったらどうするだろう、と考えさせられる作品です。