メディアアーティスト、現代の魔法使いとも言われる落合陽一氏。
彼にお会いしたのは、2017年に、仕事とは直接関係ないことがきっかけだった。お忙しく、約束の時間に遅れて登場されたのですが、あの黒ずくめな出で立ちで、打ち合わせ室に入ってこられた。
初対面なのに、すーっと会話が始まり、pixy dustで扱っている超指向性スピーカー、網膜投影眼鏡の技術説明後、物の体験をさせてくれた。
こちらからの質問にも、非常に気さくな感じで的確に対応、回答して頂き、「いっぱいもらったから」と言って、東京オリンピックのバッジもくれたりと、好感が持てた。
それ以来、ファンの一人になってしまった。(そう私は単純な人なんです。)
この本を読む前(落合氏に会う前)にも、「超AI時代の生存戦略 – シンギュラリティ<2040年代>に備える34のリスト」を、この本の後も、子供の将来就くであろう仕事の参考になるかなと思い「10年後の仕事図鑑」を拝読した。
これら2冊に共通して言われているのは、「自分のオリジナリティを持つこと」とされている。
確かに、落合氏、天才であるが、自分を見栄などで飾らず人間的にあるがままで、かつ可愛い存在だなと1時間弱の打ち合わせで失礼ながら思った次第であり、オリジナリティが非常にある人物であるのは間違いない。
この「日本再興戦略」は、欧米型を、もともと戦前に日本が見習った欧州型、戦後占領下に置かれ、経済発展として憧れ目標とした米国型を区別したうえでの、日本ってなんだっけ?を歴史を振り返りながら説明している。
日本人は、東洋思想である自然の同質性、均質性に紐づいているとしている。それゆえ、落合氏が、いつも主張している「ワークアズライフ」で、無理なく、そして西洋の「個人」から脱却した日本人に無理のない「自然と集団」を大切にした働き、生き方が重要と説きます。
その方が、日本は、イノベーションが起きやすいのではないか、としています。
日本は、少子高齢化という将来をネガティブに強調されているが、落合氏は、この問題をテクノロジーで解決すると、今後、世界中が20年後同じ問題を抱えるので、これが強みになるとしています。
落合氏が、本当に日本に元気を与えたいと思っていることが良く伝わってくる1冊です。