副題にもある「なぜ多くのアイディアが世に出ることなく消えていくのか」の原因とそれを打開するためのヒントが書かれている。
読み終えたとき、イノベーションが起きにくい、起こしにくい理由の「的を射ている」内容だと思った。
私も、企業内で、何かイノベーションを起こせないか、を考え、イノベーションイベントにエントリーしたりしているが、最終審査までの道のりは遠い。多分、この本で言う、「発想の壁」「目利きの壁」「投資の壁」「市場の壁」「組織の壁」の壁をクリアーできないからだと思う。
「イノベーションのジレンマ」(クレイトン・クリステンセン著)という有名な本があるが、その本では、ハードディスク(HDD)の進化を例に、5インチディスクの改良を進める「持続的イノベーション」に明け暮れると、3.5インチディスクが「破壊的イノベーション」として、市場を奪っていくという話。
今回の本は、「新しい価値を創造し、社会や組織を大きく変えること」と定義し、「破壊的イノベーション」を取り扱い、先の5つの壁を、どう対処したらよいかを説いている。
よく言われる、
1. オープンイノベーションでうまくいく
2. イノベーターがいればイノベーションが起きる
3. 20%ルールでうまくいく
4. 社内公募でうまくいく
という大きな誤解についても説明がある。
イノベーションを起こしたいと考えている人には、かなり役立つ本だと思い、ここに紹介します。