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日本のイノベーションのジレンマ(玉田俊平太著)

破壊的イノベーションとは、「新市場型破壊」、「ローエンド型破壊」を生み出し商用化に成功することである

玉田氏は、有名な著書「イノベーションのジレンマ」を著したクリステンセンの講義を聴き、正確に内容を理解し、クリステンセンのお墨付きをもらって本書を発行している。

車業界での「トヨタ生産方式」、半導体業界でアメリカで生まれた産業を日本は打ち破った。しかし、それは、中国、韓国に取って変わられようとしている。クリステンセンは、2000年ごろに、「日本は、市場の最上層までまで登りつめて行き場をなくしている」と日本経済の先行きを予測していた。

本著では、「破壊的イノベーション」の現象を起こる仕組みの説明、「テレビ」「携帯電話」「カメラ」の歴史の分析、破壊的イノベーションを起こすための方法を1つ1つ説明している。

今では、世の中の電化製品のすべてが使っている「半導体」。これは、アメリカのベル研究所が開発発表したものだが、世の中は注目していなかった。ところが、東京通信工業(現 ソニー)がライセンス契約を申込み、トランジスタラジオ商用に成功した。真空管から半導体に置き換わる破壊的イノベーションと紹介。その他にも、「ファミコン」、「インクジェットプリンター」を紹介。

イノベーションとは、①アイディアが新しい(=発明)②それが広く社会に広く受け入れられている(=商業的に成功する)という条件が揃う必要がある。対象は、製品、サービス、プロセスの開発である。調査では確率は20%。

多くの人は、「今より製品・サービスをよくする」持続的イノベーションを考える。しかし、破壊的イノベーションは、「既存の主要顧客には性能が低すぎて魅力的に映らないが、新しい顧客やそれほど要求が厳しくない顧客にアピールする、シンプルで使い勝手が良く、安上がりな製品やサービス」のことである。

例として、高機能ポットからのティファール、高級家具からのイケア、髭剃り洗髪からのQBハウス、モールス信号からの電話、携帯電話からのスマートフォン、ミラーカメラからのミラーレスカメラなどが紹介。

破壊的イノベーションの3つの基本戦略として以下を挙げている。

  • 既存の製品・サービスを使わない無消費者へのシンプルで低価格な製品、サービス提供する「新市場型破壊」
  • 既存の商品・サービスが過剰になってしまったものを低価格で提供する「ローエンド型破壊」
  • 既存の顧客の満足度を上げるための「持続的イノベーション」

具体的な方法については、本書を読んでみてください、読みやすい本です。ちょっとした思考の転換で新しい商品・サービスが生まれるかもしれません。

Ohtani Hisao

1967年生まれ。高校卒業まで大阪→名古屋→福岡→島根で生活。今は、神奈川県逗子市に在中。都内の会社に勤め、同居は、妻と子供2人(2020年時点 大学生)。無理をしない程度に、読書、映画、美術鑑賞、スポーツを楽しんでいます。特に2019年春からSUP(Standup Paddle Surfin)に奮闘中です。ブログで奮闘ぶり更新中です。