会社は常に「ヒット商品」を生み出したいと思っているが、日本の会社は持続的イノベーションが得意なので、なかなか破壊的イノベーションを生み出すことができない。私も、仕事の合間に、「何かいいアイディアはないものか」と考えているが、周囲を巻き込む、特に、ビジネス判断する人にその考え、思いを届けるのは難しい。
週1回立ち寄る会社近くのTSUTAYAで、この本のシンプルタイトルで購入した。山本氏は、過去28年間で1年以上販売が継続したヒット商品は約42ブランド、1年未満が約80、約3割3分の勝率とのこと。通常、1割強なので優秀なほうである。
鍵は、「潜在ニーズ」=「そうそう、これが欲しかったんだ!」という商品、サービスを世に出すこと。必ずしも新製品でなくても、意外な組み合わせや想定外の使用方法を提案するなどの工夫でヒット商品は生まれると言います。
まあ、その通りだと思います。
著者は、飲料業界で「ぎゅっと搾ったレモン水(伊藤園)」「充実野菜(伊藤園)」「リアルゴールド(コカ・コーラ)の缶化」などなどの実績があります。
山本氏は、市場調査や仮説検証は、本当の潜在ニーズを発見する可能性はほぼゼロとしています。良くやるブレインストーミングも意味ない、大切なことは、市場の小さな文句、不満を聴き続けることとのこと。その「品質」「値段」「デザイン」などの文句、不満を組み合わせることで、ヒントが見えてきます。また、仕事とは一見関係なさそうな観察こそが人間の興味力やセンスを磨いてくれるそうです。
本書には、山本氏が長年培ったヒット商品の方程式が述べられています。是非、一読されることをお勧めいたします。