SDGs(持続可能な開発目標)、ダイバーシティ(多様性)、サーキュラーエコノミー(循環型経済)がキーワード。
本当のイノベーションを起こしたいのなら、サステナブルなビジネスを前提としたPDCA(Plan→Do→Check→Action)サイクルでは起こせない。QPMI(Quality,Question→Person,Passion→Member,Mission→Innovation,Invention)、質の高い問題に対して、個人が崇高なまでの情熱を傾け、信頼できる仲間たちと共有できる目的に変え、解決する。そして諦めずに試行錯誤を続けていれば、革新や発明を起こすことができる、が道であると。
そのために、Qualityの高いQuestionに出会うための5つの方法は、以下とのこと。
本の流れとしては、今更シリコンバレーではなく、これから人口が爆発する東南アジアに直に足を運び、現場で起きている課題を認識すること、また、東南アジアで盛んにおこなわれているディープイシューをディープテックで解決する流れを抑えることが、大きなイノベーションを起こすきっかけになる。特に、日本には、それら課題を解決する古い技術を多く持っておりチャンスは存在している。決して、新しい技術だけがイノベーションを起こす訳ではない、というものである。地理的にも、日本はシーズの欧米圏からヒントを得て、マーケットである東南アジアに近い好立地にある。
では、ディープテックとは何か?
本書では、そういった例をいくつか挙げている。
欧米では苦手とし、日本を含むアジアが得意とする相利共生領域が、次のイノベーションの柱となる。欧米は、投資という形で対処しているが、日本は技術提供、商品として絡むことができるのではないか、と投げかけている。
非常に読みやすいし、内容も新しく、興味深いテーマで面白かったです。