会社に使われる人 会社を使う人(楠木新著)
長い人生、定年退職の歳に向けて、楽しく、生産性を上げる働き方、それは、2つ以上の自分をもつこと
2019年初めの初版。楠木氏は、この書で「人生百年時代」と叫ばれ始めたこの時代、定年から更にその先に向けて生き生きと生活していくためのヒントをまとめている。
まとめているというのは、著者の父親が亡くなったことと出向辞令を同時に受けたことを期に、心の揺らぎを感じ始め、出向先から戻って昇格はしたが、馴染めず鬱になり休職し、平社員として会社人生を送り始め、そんなときに、起業した人・独立した人にインタビューをはじめ、それらを本書で活用している。
これからの働き方は、定年まで仕事1つではなく、「もう一人の自分を持つ」ことで2つ以上の顔をもつことで、生活にバランスが取れ、生きがいを感じることで、本業の成果も向上していく、そういった生活を送ることが大切だとしている。
そうしたことを、会社の経営者も従業員も行うことで相乗効果が出てきて、真の「働き方改革」になるのではないか「ピンクレディー効果」と著者は言っている。
ちなみに、キャリアを変える「きっかけ」には、多様性があり、以下の7つに分類できそうとのこと。
- 会社人間脱出型(こころの定年)
- 生きがい探し型(こころの定年)
- 突発事故・事件型(病気、会社破産、大震災などの遭遇)
- 専門性開発型(独立請負人的働き方)
- 組織との関係変化型(リストラ、会社のトラブル、上司との関係など)
- 小さいころの夢追い型(小さいことから好きなこと)
- 人生逆算型(人生の持ち時間に思いを至し)
苦労された実体験を基に、わかりやすく書いてあり、非常に読みやすい本です。40代を過ぎたときに、さーっと読んでみると、会社との関係が変わるきっかけになるかもしれません。