宅配がなくなる日(松岡真宏/山手剛人著)


スマホが普及した今、宅配問題だけでなく「すきま時間」の争奪が行われている、「同時性問題の解消」がカギである

アマゾンの配達問題で宅配業界が注目を浴びているということもあり、本書を手に取って、この業界のことをちょっと知ろうと思った。

EC(電子商取引)の物流のイノベーションの鍵は、「同時性」問題の解消。つまり、中国で流行っている(社会問題でもあるが)シェアリング自転車のように、売り手と買い手が対面することなく取引が成立する仕組み。

ヤマト運輸問題は、「働き方改革」で解決すべき過剰サービス、労働生産性の低さ是正、利用者のモラルの問題を浮き彫りにした。とは言うものの、「ラストワンマイル(荷物の受け渡し)」を根本的に変えなければ、持続可能な仕組みとして成立しない。2016年の宅急便総取引個数38億7000万個(前年比6%増)、ヤマト運輸は、約50%のシェアー。

スマホが普及し、世の中、いかに「すきま時間」の効率性「節約時間価値」と快適性「創造時間価値」をよくするかに焦点があたってきた。この相反する価値を解消するのが、ドライバーと受取人の「同時性」問題の解消。

著者は、その解決法として「宅配ロッカー」(ドリンクの自動販売機のようなもの)にたどり着く。同じような課題を抱える業界の現状と課題についても触れている。

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