世界のニュースを日本人は何も知らない(谷本真由美)


日本のメディア情報だけだと偏った知識しか得られない。世界の正しいニュースも見る力が大切。

最近、AIに関する本を立て続けに読んでいたので、ちょっと息抜きとして違う分野の本を読みたいなとちょうど思っていた中、葉山にある書店を、ブラブラと歩いていると、この本にであった。2019年10月に初版が出たものなので、情報も新しい。

谷本氏は、神奈川生まれで、以前、国連専門機関職員をされていた方で、様々な国で様々な会社を経験されているようです。現在の住まいもロンドンなので、長期間、日本の外から日本の情報と各国の情報を見聞きされている経験をお持ちです。そういう谷本氏の本なので、偏った内容ではないことが推察されました。実際に読んでみると、当たり前に知っている内容と「へー」と感じ津新しい情報も随所にあった。面白い本でした。

ポイントは、これだけ情報に溢れた世の中、いかに信頼のおける情報源を複数持つことが重要。しかも、偏った日本のメディア(視聴者の受け狙い)だけでなく、海外の情報源からも情報を入手する(そのためには、英語の能力も必要)ことで、世の中における日本、自分の立ち位置を客観的に見極めることができるとしています。ここは、当たり前の話。海外の情報を取りに行くのは面倒ですが、それを怠ってはいけないということです。

日本のニュースは、日本自体が平和ぼけしているので、国民が知らなくても良いローカルな情報や、どのチャンネルも同じようなニュースが、同じ解釈(スタンス)で触れているので、国民全体が、同じ考えに偏ってしまう傾向にあります。ローカル情報の代表的なものは、「火事」「交通事故」「飲食の人気店」「芸能人の不倫」など知っても自分の生活や経済などに全く影響しないもの。同じニュースと言えば、この本にも取り上げらているが、元日産自動車会長のゴーン氏の話、最近では、コロナウィルスの話などがそれにあたります。

ゴーン氏の話は、日本では、当事者なので騒ぎ立てていますが、海外からは、祖「たったそれだけのお金でどうしたの?」と捉えられているレベルで、日本人の細かな真面目さが皮肉られる報道のされ方もされているとのことです。つまり、中東、ロシアはじめとした先進国だけでなく、途上国のアフリカなどでは、もっと巨額のお金の不正が公然と行われているので、そういう反応になってしまうようです。

そうだよね、の話として、

  • 中国は、アフリカのメディア買収し、情報統制をおこなっている。
  • アメリカは、ソフトコンテンツ(映画など)を通して、軍の協力の下正当性をアピールしている。
  • マッキンゼーも、各国のイメージ創りのプロジェクトに関わっており、接待も受けているのでフェアな仕事がなされていない可能性が高い。
  • トランプ大統領は、3年経過した際の支持率は、46%(2019年4月)歴代7位。オバマより2%良い。
  • アメリカ サンフランシスコは、IT企業の賃上げ競争で4人家族で中間値約2000万円。約1300万円は「低所得者家庭」で日本の約250万円に相当する。(道端に、テント生活する人が急増する社会問題が言われていますね)。アメリカ全土的には、約550万円が大多数。
  • イギリス、ロンドンの白人は、45%しかいない。
  • 日本は、非常に恵まれている国。
  • 今後の日本を支えていくには、「高学歴移民」を積極的に受け入れること。
  • AI時代、創造性、問題解決をする人を企業は採用しないと淘汰される。(日本への警告)
  • 疲労の回復は、睡眠時間を適正に取ること。男性、1日に水3.7リットル、女性2.7リットル摂取すること。(コーヒーやスポーツドリンクは含まない)
  • 老いにネガティブなのは日本独特の特徴で、欧州、アメリカなどでは逆に、経験値から得られる「結晶性知性」や円熟が良しとされる。



次に、「へー」という話です。

  • アメリカ、欧州は、「ポリコレ(ポリティカル・コレクトネス)」に疲れている。
  • 親日国は、ボリビア、パラグアイ、アフガニスタン、パキスタン。
  • 国連は、町内会の寄り合いみたいなもの。構成員は常識、文化などもバラバラ。命令系統曖昧、喧嘩になる。入れ替わりが少なく、よそ者に冷たい。辞めたがっている。
  • EUの元になる「汎欧州主義」を広めたのは、青山栄次郎という日本名も持つ、リヒャルト・クーデンホーフ=カレルギーである。
  • フランスの「黄色いベスト運動」は、Facebookのアルゴリズムの変更で、ローカルニュースがクローズアップされたため。
  • 高額を政府に納めると、国籍を取得できる国が非常に多く存在する。
  • 海外では、先天的なIQ(学校のテストの点)より、他人の気持ちを汲んだり、境遇、気持ちに共感する、我慢したりする「非認知能力」が成功を生むという考えが一般的。これは、20歳を越えてもどんどん成長する後天的な能力。
  • 自分が幸福かどうかは、「自己決定権」。収入、肩書など他社との比較はある程度以上は幸福度が高まらない。
  • アメリカ人は、保守的な人が多く、貧乏で、低学歴。
  • 欧州人は、読み書き、計算がやばいレベルが30~50%以上もいる。日本は、20%以下。
  • アメリカの州立大学の医学部でない学部で、学費、生活費は、700万円/年(4年で3000万円)、私立で、1000万円/年(4年で4000万円)で、収入格差が大きい、また、コネ、寄付金での入学が当たり前で、日本のようにフェアでない。
  • イギリスは、借金をしてセレブ的な生活を謳歌し、破産する人が年間830万人。
  • オランダ人は、ドケチ過ぎて各国から嫌われている。
  • イタリア人は、お風呂嫌いで臭い人が多い。
  • ドイツ人は、「サウナクラブ」などで風俗が当たり前である。一方、性犯罪が少ない。逆に厳しいイギリス、アメリカは、犯罪が多い。

上記以外にも、参考になる話が記載されている。読んで為になったと思います。

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