テレワークになってから、あまり本を読むことが出来なくなった。時間はあるのだけれども、どうもそちらの方に時間をかけることが気分的にできない。
そういう中、「鬼滅の刃」のマンガ(私のブログ)を一気読みして、次を考えているときに、この「デジタルマーケティング2.0 AI×5G時代の新・顧客戦略」という本が目に入った。2020年2月25日第一版なので、つい最近発売された本になります。これを手に取ったのは、3月終わりの頃なので、だらだらと1か月近くかけて読んでいることになる。
内容は、本のタイトルにあるように、既に5G通信が一部のキャリアで始まっているが、その5G通信が当たり前になる世の中では、AIを使った様々な業態が新しく、あるいは、進化して登場していくという話です。
そして、その新しい商品、サービスを、顧客が真に求めるものにするために、情報を届け、顧客がその価値を効果的に得られるように導くという新しいデジタルマーケティングはどうあるべきかについても触れている。
その事例が、50個、図解で書かれ、それについての解説がされている本です。内容を読んでいくと、いかにも研究所の本という感じがします。
この本に記載されている7つの主要コンセプトと8つの補完コンセプトは以下の通りです。
■主要コンセプト
■補完コンセプト
今までの4G通信で、2時間の映画をダウンロードするのに8.4分かかっていたが、それが5G通信では、2秒弱で可能になる。つまり、莫大な容量のデータを瞬時に送ることができるようになる。また、無線の遅延問題が解消される。
AIと5Gが合わさると、AIの活用が更に促進され、その集められたビッグデータにより、よりリアルタイムに、人、物、金、情報、場所・空間、および時間(過去~現在)を、より適切に、自動的にマッチングさせることができるようになります。これは、あらゆる分野で応用が考えられる。
この本の中で、小売店、飲食店、スポーツ・エンタメ、ホテル・鉄道・航空、宅配便、携帯電話サービス、教育サービス、サービス、医療、自動車などなどが現在のBefore、5G&AI導入後のAfterでどう変わるかが50種図示されている。
そして最後に、デジタルマーケティング2.0を実現するための2つのポイントとして、「イメージ創出の発想」「これでも残る課題への対応」を挙げている。
「イメージ創出の発想」は、技術志向に偏った単一的な視点ではなく、複眼的な視点で物事を見ていき、多種多様な人の視点を入れ、リフレーミングすることで破壊的イノベーションに繋がっていく。(同じフレーミングでは、破壊的イノベーションは生まない)
「これでも残る課題への対応」は、人間の本質的な感情、欲求にかかる価値観に起因する課題は変わらず残えいAIでは解決できない。そのAIで解決できない課題をマーケッターが集中して対応していくことが大切である。また、日本は、AI導入準備がまだ整っていない。そういう環境下でAIを目的化した導入をしてはいけない。更に気を付けることとして、個人情報・プライバシーの保護の問題。これらの活用にはオプトインでの同意が必要なので、避けて通れないため、この分野にたけた業者とコラボレーションしていくことが肝要である。
最後に、「本書で挙げた様々なソリューションを高確率・高精度で実現させることで、それは皆が幸せになるための触媒となり、ビジネスとしては、必然的に何かが売れる仕組みに繋がっていく」と締めている。
50の例が同じ調子で書かれているので、途中で飽きてしまって先に進まなくなったのだが、1つ1つは、当然そうなるよね、という内容が書かれている。最初から最後までの読み物というより、関心のある分野、領域の可能性の大枠を把握するのには非常に良い本だと思う。